array_column

入力配列から単一のカラムの値を返す

説明

array array_column(array $array, intstringnull $column_key, intstringnull $index_key = null)

array_column は、 配列 array の中から column_key で指定した単一のカラムの値を返します。 オプションで index_key も指定できます。 これを指定すると、 入力配列内のカラム index_key の値をキーとし、 カラム column_key を値とした配列が返されます。

パラメータ

array

値を取り出したい多次元配列 (あるいはオブジェクトの配列)。 オブジェクトの配列を指定した場合は、public プロパティはそのまま取得できます。 protected や private なプロパティを取得したい場合は、そのクラスがマジックメソッド __get および __isset を実装している必要があります。

column_key

値を返したいカラム。 取得したいカラムの番号を整数値で指定することもできるし、 連想配列のキーやプロパティの名前を指定することもできます。 null を指定すると、配列やオブジェクト全体を返します (index_key との組み合わせで、配列の並べ替えをするときに便利です)。

index_key

返す配列のインデックス/キーとして使うカラム。 カラム番号を表す整数値、あるいはキーの名前を表す文字列になります。 この値は、いつものように配列のキーとして キャストされます。 (PHP 8.0.0 より前のバージョンでは、 文字列への変換をサポートしているオブジェクトも許可されていました)

戻り値

入力配列の単一のカラムを表す値の配列を返します。

変更履歴

バージョン 説明
8.0.0 index_key で指定されたカラムにオブジェクトが含まれていても、 文字列にキャストされなくなりました。 代わりに、TypeError が発生するようになっています。

例1 レコードセットからのファーストネームの取得

<?php
// データベースから返ってきたレコードセットの例
$records = array(
    array(
        'id' => 2135,
        'first_name' => 'John',
        'last_name' => 'Doe',
    ),
    array(
        'id' => 3245,
        'first_name' => 'Sally',
        'last_name' => 'Smith',
    ),
    array(
        'id' => 5342,
        'first_name' => 'Jane',
        'last_name' => 'Jones',
    ),
    array(
        'id' => 5623,
        'first_name' => 'Peter',
        'last_name' => 'Doe',
    )
);
 
$first_names = array_column($records, 'first_name');
print_r($first_names);
?>

上の例の出力は以下となります。

Array
(
    [0] => John
    [1] => Sally
    [2] => Jane
    [3] => Peter
)

例2 レコードセットから姓を取得し、"id"で並べ替える例

<?php
// 先ほどの例と同じ $records 配列を使います
$last_names = array_column($records, 'last_name', 'id');
print_r($last_names);
?>

上の例の出力は以下となります。

Array
(
    [2135] => Doe
    [3245] => Smith
    [5342] => Jones
    [5623] => Doe
)

例3 オブジェクトの public プロパティ "username" からユーザー名を取得する例

<?php

class User
{
    public $username;

    public function __construct(string $username)
    {
        $this->username = $username;
    }
}

$users = [
    new User('user 1'),
    new User('user 2'),
    new User('user 3'),
];

print_r(array_column($users, 'username'));
?>

上の例の出力は以下となります。

Array
(
    [0] => user 1
    [1] => user 2
    [2] => user 3
)

例4 オブジェクトの private プロパティ "name" から、マジックメソッド __get を使って名前を取得する例

<?php

class Person
{
    private $name;

    public function __construct(string $name)
    {
        $this->name = $name;
    }

    public function __get($prop)
    {
        return $this->$prop;
    }

    public function __isset($prop) : bool
    {
        return isset($this->$prop);
    }
}

$people = [
    new Person('Fred'),
    new Person('Jane'),
    new Person('John'),
];

print_r(array_column($people, 'name'));
?>

上の例の出力は以下となります。

Array
(
    [0] => Fred
    [1] => Jane
    [2] => John
)
__isset が用意されていなければ、空の配列が返されます。