com_event_sink

COM オブジェクトのイベントを PHP オブジェクトに接続する

説明

bool com_event_sink(variant $variant, object $sink_object, arraystringnull $sink_interface = null)

variant が生成したイベントを PHP オブジェクト sink_object に通知するよう、COM に指示します。

この機能を利用する際には注意しましょう。もし以下の例のようなことを 行いたいのであれば、Web サーバー上でそれを行うことには まったく意味がありません。

パラメータ

variant

sink_object

sink_object には、要求されるディスパッチ インターフェイスと同じ名前のメソッドを持つクラスのインスタンスを 指定する必要があります。この要求を満たすクラスを作成するために、 com_print_typeinfo を使用することができます。

sink_interface

PHP は variant に関連するタイプライブラリで 指定されたデフォルトのディスパッチインターフェイスを使用しようと しますが、使用させたいインターフェイス名を sink_interface に指定することで、それを 上書きすることが可能です。

戻り値

成功した場合に true を、失敗した場合に false を返します。

変更履歴

バージョン 説明
8.0.0 sink_interface は、nullable になりました。

例1 COM イベントシンクの例

<?php
class IEEventSinker {
    var $terminated = false;

   function ProgressChange($progress, $progressmax) {
      echo "ダウンロードの進行状況: $progress / $progressmax\n";
    }

    function DocumentComplete(&$dom, $url) {
      echo "ドキュメント $url 完了\n";
    }

    function OnQuit() {
      echo "終了!\n";
      $this->terminated = true;
    }
}
$ie = new COM("InternetExplorer.Application");
$sink = new IEEventSinker();
com_event_sink($ie, $sink, "DWebBrowserEvents2");
$ie->Visible = true;
$ie->Navigate("http://www.example.org");
while(!$sink->terminated) {
  com_message_pump(4000);
}
$ie = null;
?>

注意

警告

PHP 8.0.0 より前のバージョンでは、 イベントハンドラから exit を呼ぶことはサポートされていませんでした。 そうしてしまうと、PHP がハングする可能性もありました。 この事象は、イベントハンドラから例外をスローしてメインのコードでキャッチし、 exit を呼び出すことで回避できます。

参考

  • com_print_typeinfo
  • com_message_pump