openssl_csr_new

CSR を作成する

説明

OpenSSLCertificateSigningRequestbool openssl_csr_new(
    array $distinguished_names,
    #[\SensitiveParameter]OpenSSLAsymmetricKeynull &$private_key,
    arraynull $options = null,
    arraynull $extra_attributes = null
)

openssl_csr_new は、新しい CSRdistinguished_names の情報に基づいて作成します。

注意: この関数を正しく動作させるには、正しい形式の openssl.cnf をインストールしておく必要があります。 詳細な情報は、インストールについてのセクション を参照ください。

パラメータ

distinguished_names

証明書で使用される識別名、またはsubjectフィールド。

private_key

private_key には、事前に openssl_pkey_new (あるいはその他の openssl_pkey 系の関数)で作成した秘密鍵を設定します。 null も指定できます。null を指定した場合、 新しい秘密鍵が options の指定に基づいて生成され、指定された変数に代入されます。 これに対応する公開鍵が、CSR への署名に使用されます。

options

デフォルトでは、システムの openssl.conf の設定に したがってリクエストが初期化されます。options のキー config_section_section を設定することで、この デフォルト項目を変更することが可能です。また、キー config に別の openssl 設定ファイルを指定することで別の設定を使用することも可能です。 もし options に以下の表のキーが存在すれば、それらは openssl.conf の対応する項目と同じ働きをします。

設定の上書き
options のキー openssl.conf で同等の意味を持つ項目 説明
digest_alg string default_md ダイジェストメソッド、または署名のハッシュ。 通常は openssl_get_md_methods 関数のリストのうちのひとつです。
x509_extensions string x509_extensions x509 証明書を作成する際に使用する拡張モジュールを選択します
req_extensions string req_extensions CSR を作成する際に使用する拡張モジュールを選択します
private_key_bits int default_bits 秘密鍵を作成する際に使用するビット数を指定します
private_key_type int none 作成する秘密鍵の型を指定します。以下の定数 OPENSSL_KEYTYPE_DSA, OPENSSL_KEYTYPE_DH OPENSSL_KEYTYPE_RSA あるいは OPENSSL_KEYTYPE_EC からひとつ選択します。 デフォルト値は OPENSSL_KEYTYPE_RSA です。
encrypt_key bool encrypt_key (パスフレーズとともに)エクスポートされるキーを暗号化するか?
encrypt_key_cipher int none 暗号定数のうちの一つ。
curve_name string none openssl_get_curve_names のうちの一つ。
config string N/A 代替の openssl.conf ファイルのパス

extra_attributes

extra_attributes は、CSR に関する追加の設定情報を 設定するために使用します。distinguished_names および extra_attributes はどちらも連想配列で、それらの キーが OID に変換されたうえでリクエストの関連する部分に適用されます。

戻り値

成功した場合、CSR を返します。 CSR の作成に成功したものの、署名に失敗した場合は true を返します。 失敗した場合に false を返します

変更履歴

バージョン 説明
8.0.0 成功した場合に、この関数は OpenSSLCertificateSigningRequest クラスのインスタンスを返すようになりました。 これより前のバージョンでは、 OpenSSL X.509 CSR 型のリソースが返されていました。
8.0.0 private_key は、 OpenSSLAsymmetricKey クラスのインスタンスを受け入れるようになりました。 これより前のバージョンでは、 OpenSSL key 型のリソースを受け入れていました。
7.1.0 options が、新たに curve_name をサポートしました。

例1 自己署名証明書の作成

<?php
// SSLサーバー証明書では、commonName はセキュアにするドメインです。
// S/MIME 電子メール証明書では、 commonName は電子メールアドレスのオーナーです。
// location と identification フィールドは、セキュアにするドメイン
// または電子メールのオーナーを参照します。
$dn = array(
    "countryName" => "GB",
    "stateOrProvinceName" => "Somerset",
    "localityName" => "Glastonbury",
    "organizationName" => "The Brain Room Limited",
    "organizationalUnitName" => "PHP Documentation Team",
    "commonName" => "Wez Furlong",
    "emailAddress" => "wez@example.com"
);

// 新しい 秘密鍵(と公開鍵の) キーペアを生成します
$privkey = openssl_pkey_new(array(
    "private_key_bits" => 2048,
    "private_key_type" => OPENSSL_KEYTYPE_RSA,
));

// CSR を生成します
$csr = openssl_csr_new($dn, $privkey, array('digest_alg' => 'sha256'));

// 自己署名の証明書を生成します。365日有効です
$x509 = openssl_csr_sign($csr, null, $privkey, $days=365, array('digest_alg' => 'sha256'));

// 秘密鍵、CSR と自己署名証明書をあとで使うために保存します。
openssl_csr_export($csr, $csrout) and var_dump($csrout);
openssl_x509_export($x509, $certout) and var_dump($certout);
openssl_pkey_export($privkey, $pkeyout, "mypassword") and var_dump($pkeyout);

// 起きたエラーを表示します。
while (($e = openssl_error_string()) !== false) {
    echo $e . "\n";
}
?>

例2 自己署名の ECC 証明書を作成する (PHP 7.1.0 以降)

<?php
$subject = array(
    "commonName" => "docs.php.net",
);

// 新しい 秘密鍵(と公開鍵の) キーペアを生成します
$private_key = openssl_pkey_new(array(
    "private_key_type" => OPENSSL_KEYTYPE_EC,
    "curve_name" => 'prime256v1',
));

// CSR を生成します
$csr = openssl_csr_new($subject, $private_key, array('digest_alg' => 'sha384'));

// 自己署名のEC証明書を生成します。
$x509 = openssl_csr_sign($csr, null, $private_key, $days=365, array('digest_alg' => 'sha384'));
openssl_x509_export_to_file($x509, 'ecc-cert.pem');
openssl_pkey_export_to_file($private_key, 'ecc-private.key');
?>

参考

  • openssl_csr_sign