socket_select
与えられたソケットの配列に対し、指定した有効時間で select() システムコールを実行する
説明
intfalse socket_select(
arraynull &$read
,
arraynull &$write
,
arraynull &$except
,
intnull $seconds
,
int $microseconds
= 0
)
パラメータ
-
read
-
配列 read
に挙げられたソケットでは、
文字が読み込み可能になっているかどうか(厳密に言うと、読み込みが
ブロックされていないかどうか - 実際には、ソケット記述子はファイルの
終端でも有効です。そのような場合、socket_read
は長さゼロの文字列を返します)を監視します。
-
write
-
配列 write
に挙げられたソケットでは、
書き込みがブロックされていないかどうかを監視します。
-
except
-
配列 except
に挙げられたソケットでは、
例外を監視します。
-
seconds
-
seconds
および microseconds
は、ともにタイムアウト
を指定するパラメータです。
タイムアウト
は、socket_select
が結果を返すまでの経過時間の最大値です。
seconds
はゼロにすることも可能で、そうすると
socket_select は結果をすぐに返します。
これはポーリングをする際に有用です。seconds
に null
(タイムアウトしない)を指定すると、
socket_select は無期限にブロックします。
-
microseconds
-
警告
終了時に配列は書き換えられ、
どのソケットの状態が変わったのかがわかるようになります。
socket_select のすべての配列を設定する必要はありません。
使用しないものについては空の配列や null
をかわりに指定しておくことが可能です。
また、これらの配列は参照渡し であり、
socket_select
をコールした後でその中身が書き換えられていることに注意しましょう。
注意:
現状の Zend Engine の制限により、関数の参照渡しパラメータに
null
のような定数値を直接渡すことができません。一時的な変数を使用するか、
あるいは一番左に一時変数を使用する式を使用してください。
例1 socket_select での null
の使用
<?php
$e = NULL;
socket_select($r, $w, $e, 0);
?>
戻り値
成功した場合は、socket_select は配列内で
変化のあったソケットの数を返します。もし何かがおこる前に
タイムアウト時間が経過した場合は、ゼロを返すことになります。
エラー時には false
が返されます。エラーコードは
socket_last_error で取得可能です。
注意:
エラーかどうかを調べる際には、必ず ===
演算子を
使用するようにしましょう。socket_select は
0 を返す場合もあり、このような場合に ==
を用いて比較すると、エラーと判定されてしまいます。
例2 socket_select の返す結果を知る
<?php
$e = NULL;
if (false === socket_select($r, $w, $e, 0)) {
echo "socket_select() は失敗しました。原因: " .
socket_strerror(socket_last_error()) . "\n";
}
?>
例
例3 socket_select の例
<?php
/* 読み込み用の配列を準備する */
$read = array($socket1, $socket2);
$write = NULL;
$except = NULL;
$num_changed_sockets = socket_select($read, $write, $except, 0);
if ($num_changed_sockets === false) {
/* エラー処理 */
} else if ($num_changed_sockets > 0) {
/* すくなくともひとつのソケットで、何らかの出来事が起こっています */
}
?>
注意
注意:
ソケットの実装によっては、取り扱いに注意すべきものがあることを知っておいてください。
基本的なルールは以下のとおりです。
-
基本的に socket_select のタイムアウトは
指定しないように心がけましょう。もしデータがなかった場合に、
プログラム側でそれを判定できなくなってしまいます。タイムアウトに
依存しているコードは移植性が悪く、デバッグが困難です。
-
socket_select のコール後に値をチェックして
適切に処理するつもりがないソケットは、決して配列に追加してはいけません。
socket_select から値が返ってきたあとは、
配列内のすべてのソケットをチェックする必要があります。
すべての書き込み用ソケットは書き込める必要がありますし、
またすべての読み込み用ソケットは読み込める必要があります。
-
配列で返されたソケットに対して読み込み/書き込みをする場合には、
指定したデータを必ずしもすべて読み込み/書き込みするとは限らないことを
知っておいてください。たった 1 バイトしか読み込み/書き込みが
できなかった場合にも対処できるよう準備しておきましょう。
-
ほとんどのソケット実装で、
except
でキャッチできる
例外はただひとつ、すなわちソケットが受け取ったデータが帯域外で
あったということだけです。
参考
- socket_read
- socket_write
- socket_last_error
- socket_strerror