sodium_crypto_pwhash

Argon2 アルゴリズムを使い、パスワードからキーを導出する

説明

string sodium_crypto_pwhash(
    int $length,
    #[\SensitiveParameter]string $password,
    string $salt,
    int $opslimit,
    int $memlimit,
    int $algo = SODIUM_CRYPTO_PWHASH_ALG_DEFAULT
)

この関数は、 libsodium の crypto_pwhash 派生関数への低レベルのアクセスを提供します。 この関数を使う明確な理由がなければ、 sodium_crypto_pwhash_strpassword_hash 関数を代わりに使うべきです。

この関数を使う共通の理由は、 パスワードとソルトから暗号化キーのためのシードを導出し、 その値を使うことで、特定の目的 (たとえば、sodium_crypto_sign_detached) で使う実際の鍵を生成することです。

パラメータ

length

生成するパスワードハッシュの長さ。 バイト単位で指定します。

password

ハッシュを生成するパスワードを文字列で指定します。

salt

ハッシュ化する前に、 パスワードに追加するソルト値。 この値は予測されてはいけません。 random_bytes のような良質な乱数のソースから生成されることが理想です。 そして、長さが正確に SODIUM_CRYPTO_PWHASH_SALTBYTES バイトである必要があります。

opslimit

実際に行う計算処理の最大量。 この値を大きくすると、 キーを計算するのに必要なCPUサイクルが増加します。 意図した使い方次第で、 適切な値の上限値を設定するために、いくつかの定数が存在します。 弱いものから強いものへと並べると、以下のとおりです: SODIUM_CRYPTO_PWHASH_OPSLIMIT_INTERACTIVE, SODIUM_CRYPTO_PWHASH_OPSLIMIT_MODERATE, SODIUM_CRYPTO_PWHASH_OPSLIMIT_SENSITIVE

memlimit

この関数が使用するメモリの最大値をバイト単位で指定します。 適切な値を選ぶために、ヘルパとなる定数が存在します。 サイズの順に、以下の通りです: SODIUM_CRYPTO_PWHASH_MEMLIMIT_INTERACTIVE, SODIUM_CRYPTO_PWHASH_MEMLIMIT_MODERATE, SODIUM_CRYPTO_PWHASH_MEMLIMIT_SENSITIVE これらの値は、opslimit と一致するものとペアになるべきです。

algo

使用するハッシュアルゴリズムのIDを指定します。 デフォルトは、 SODIUM_CRYPTO_PWHASH_ALG_DEFAULT (現状推奨されるアルゴリズム。 これは、libsodium のバージョンによって変更されるかもしれません) です。 または、 Argon2id アルゴリズム version 1.3 を表す SODIUM_CRYPTO_PWHASH_ALG_ARGON2ID13 を明示的に使うこともできます。

戻り値

導出されたキーを返します。 返される値は、ハッシュのバイナリ文字列であり、 ASCII でエンコードされた文字列ではありませんし、 ハッシュを生成するために使われた追加のパラメータも含まれていません。 よって、将来パスワードを検証するためには、 それらの情報を保持しておく必要があります。 そうなることを避けるために、 sodium_crypto_pwhash_str を使って下さい。

例1 sodium_crypto_pwhash の例

<?php
//Need to keep the salt if we're ever going to be able to check this password
$salt = random_bytes(SODIUM_CRYPTO_PWHASH_SALTBYTES);
//Using bin2hex to keep output readable
echo bin2hex(
    sodium_crypto_pwhash(
        16, // == 128 bits
        'password',
        $salt,
        SODIUM_CRYPTO_PWHASH_OPSLIMIT_INTERACTIVE,
        SODIUM_CRYPTO_PWHASH_MEMLIMIT_INTERACTIVE,
        SODIUM_CRYPTO_PWHASH_ALG_ARGON2ID13
    )
);
?>

上の例の出力は、 たとえば以下のようになります。

a18f346ba57992eb7e4ae6abf3fd30ee