mt_srand

メルセンヌ・ツイスター乱数生成器にシードを指定する

説明

void mt_srand(intnull $seed = null, int $mode = MT_RAND_MT19937)

seed により乱数生成器にシードを指定します。 seed を指定しなかった場合は、 ランダムな値を設定します。

注意: srand または mt_srand によりランダム数生成器にシードを与える必要はありません。 これは、この処理が自動的に行われるためです。

警告

Mt19937 (メルセンヌ・ツイスター) エンジンは、シードとして32ビットの整数だけを受け入れます。よって、219937-1 もの周期を持つにも関わらず、あり得るランダムなシーケンスの数はたかだか 232 (つまり 4,294,967,296) しかありません。

暗黙、または明示的にランダムなシードに依存する場合、 重複がそれ(4,294,967,296 個)よりも早く発生します。 誕生日のパラドックスによると、80,000 個以下のランダムな値を生成した場合でも、 シードの重複が 50% の確率で発生します。 重複したシードの 10% が、ざっと 30,000 個のランダムな値を生成したあとに発生します。

このため、無視できる確率以上に重複したシーケンスが発生してはいけないアプリケーションでは、Mt19937 は適していません。 再現可能なシードが必須の場合、 Random\Engine\Xoshiro256StarStarRandom\Engine\PcgOneseq128XslRr64 が、ランダムな値が衝突しにくく、より大きなシードをサポートしています。 再現可能なシードが必須でない場合、 Random\Engine\Secure が、暗号学的にセキュアなランダム性を提供します。

パラメータ

seed

seed をシードとした LCG を使って生成された値で 埋められるステート。 32ビットの符号なし整数値として解釈されます。

seed が省略されるか null の場合、 ランダムな符号なし 32ビットの整数が使われます。

mode

以下のいずれかの定数を使用して、使用するアルゴリズムの実装を指定します。

  • MT_RAND_MT19937: 正しいメルセンヌ・ツイスター実装を使います。 PHP 7.1.0 以降で利用可能です。
  • MT_RAND_PHP PHP 7.1.0 より前にデフォルトとして使用されていた、 正しくないメルセンヌ・ツイスター実装を使います。 このモードは、後方互換性を保つ際に使用できます。

警告

この機能は PHP 8.3.0 で 非推奨になります。この機能に頼らないことを強く推奨します。

戻り値

値を返しません。

変更履歴

バージョン 説明
8.3.0 seed は、nullable になりました。
7.1.0 srand は、mt_srandエイリアスになりました。
7.1.0 mt_rand は、正しく修正されたメルセンヌ・ツイスター・アルゴリズムを使用するように 更新されました。 以前のアルゴリズムに戻すには、mt_srandMT_RAND_PHP を 第2引数として指定してください。

参考

  • mt_rand
  • mt_getrandmax
  • srand